エアコン修理や設置などを行うのに、自分でやろうと思っていてもできない作業などが出てきます。
素人でもできる作業はありますが、電気工事士の資格を取得していないとできない工事がたくさんあります。
実際に電気工事士の資格試験は何時行われてどのような作業ができるのかを見てみましょう。
アコン取り付けに資格は必要それとも不要
エアコンの取り付けはプロに依頼する方が多いですが、実は条件次第では自分で取り付けることもできます。
資格が必要な場合と不要な場合について、自分で取り付ける場合の注意点について詳しく説明いたします!
◇エアコン取り付けに資格は不要
エアコン取り付けというと、室内機と室外機を配置し、配管を繋げてと、一見素人には難しそうな作業です。
しかし実は、手順をきちんと守れば条件次第で資格のない素人でもエアコンの取り付けはできるのです。
取付けにもそれなりの費用が掛かるため、できるだけ安くするためにもぜひDIYでやりたい!と考える人も多いでしょう。
ところが、エアコンの取り付けはやはり素人にとって難しい作業が非常に多く、失敗するとエアコンの不調や最悪の場合故障してしまいます。
また、コンセントの種類の変更や移設など、電気工事を必要とする作業がある場合は、電気工事士一種もしくは二種の資格を持っていないとできません。
難易度の高い作業が多いこと、失敗すると故障する可能性があること、作業によっては資格が必要なことなどから、やはりエアコンの取り付けはプロの業者に依頼するのが確実で安心できます。
◇エアコンの取り付けに資格が必要な場合
コンセントの増設・形状変更・移設・業務用エアコンの設置(使用電圧が600Vを超えるもの)・内部接続線の壁などへの固定・防護装置の取り付け作業・内部接続線同士の接続・アース接地極への接続や地面に埋める作業などは電気工事士の資格が必要な作業です。
何か1つでも上記の作業をしなければならない場合は、自分で資格を持っていれば別ですが。
必ずプロに依頼しましょう。
資格のない人が見よう見まねでやろうとすると、漏電や感電などの恐れがあるので、絶対にやめましょう。
◇エアコン取り付けを資格なしでできる場合
室内機の壁への固定(壁に穴を開ける、固定用の金具を取り付けるなど)・化粧カバーの設置(電線の保持や保護する目的を持たない場合)・アース線の取り付け・コンセントの差し込み・真空引き(ポンプを使ってパイプの中の空気を抜いていく)などは電気工事を伴わない、作業なのでエアコンの取り付けられる場合は、電気工事士の資格のない素人でも行うことが可能です。
ただし、ポンプを使ってエアコンの配管を真空状態にする真空引きや、重い室内機や室外機の設置は、コツのいる難易度が高い作業です。
不安な場合は無理をせず、やはりプロにお任せすることをおすすめします。
自分でエアコンを取り付ける場合の注意点
資格が必要な作業がない場合でも、安全で間違いがないよう設置して使うためにはやはりプロのエアコン取り付け事業者に依頼した方が安心ですが、どうしても自分で取り付けたいと思っている人は、以下の点に注意しましょう。
◇配管の穴を開ける際に柱や筋交いに傷をつけない
配管用の穴が開いていない場合、自分で壁に穴を開ける必要がありますが、この時に家の柱や筋交いなどを絶対に傷をつけないようにしましょう。
柱や筋交いは、耐震性を高めるのに重要な役割を果たしているため、万が一穴が開いたり傷がついたりしてしまうと、大幅な改修工事が必要となってきます。
そのため、穴を開けたい場所に柱や筋交いがある・あるかもしれないという場合は、プロの事業者に必ず依頼してください。
◇コンセントの電圧とエアコンの電圧を確認
コンセントの電圧とエアコンの電圧が違っているとそのままでは使用できず、コンセントの電圧を変更する工事が必要になります。
コンセントに関する工事は電気工事士の資格が必要となるため、自分ではエアコンの取り付けができなくなってしまいます。
取り付けの前にコンセントとエアコンの電圧を確認し、合っていない場合は必ずプロのエアコン取り付け事業者に依頼をしましょう。
◇設置後に調子が悪い・動かない場合はプロに依頼
設置が完了してからしばらくの間は動いていたのに急に調子が悪くなる、動かなくなったという場合は、どこかで設置不良が起こっている可能性があります。
真空引きが失敗していたらエアコンの故障の恐れがありますし、誤って電気配線まわりを触って不具合が発生してしまっていたら漏電などの危険があります。
自分で不具合の原因を突き止めるのは難しいので、エアコン取り付けのプロに依頼して修理・再取り付けをしてもらうことをおすすめします。
電気工事士の資格が必要
エアコン修理には電気工事士の資格がないとできない作業がいろいろとあります。
それでは、電気工事士の資格を持っているとできる作業を見てみましょう。
◇電気工事士の資格が必要な作業
次のような作業は、電気工事士の資格が必要です。
内外接続線を直接壁などに固定したり防護装置を取り付けたりする作業・600Vを超えて使用するエアコンの設置作業・アース接地極に接続する作業や地面に埋める作業・コンセントの増設や移設・内外接続電線同士の接続などは電気工事士の資格が必要です。
ちなみに、600Vを超えて使用するエアコンとは業務用になります。
たとえば、個人で店を経営していて店舗で使う大型のエアコンを自分で設置したい場合は、電気工事士の資格が必要になるものもあります。
また、古い家屋などはエアコンが設置するような設計がされていません。
そのため、エアコンを設置するために別途電気工事が必要になることがあります。
その為、築40年以上の家屋にエアコンを設置する場合・エアコンを設置するように設計されていない場所にエアコンを設置する場合・特殊な工事が必要なエアコンを設置する場合・大型のエアコンを設置する場合などは、無理にDIYを行わず業者に依頼した方が良いでしょう。
電気工事士の資格取得
電気工事を行うには、電気工事士という資格が必要になります。
ここでは、電気工事士の有資格者ができる作業や資格取得方法を解説します。
◇電気工事士とはどのような資格?
電気工事士とは、電気の配線工事などを行うことのできる国家資格です。
コンセントの移設や増設・アンペアの増減などできる工事の種類はたくさんあります。
基本的に、家電を設置する以外の電気工事を行うには必ず資格を持っていなければいけません。
電気工事には一種と二種があり、二種は、600V以下で受電する設備の工事を行うことができます。
一般住宅や小規模な店舗の電気工事に限って行うなら、二種の資格で作業可能です。
一種は、二種が行える電気工事に加えて最大電力500kw以内の工場・ビルなどの電気工事を行うことができます。
電気工事を仕事として働きたい場合は、一種の取得が必須です。
◇電気工事士の資格を取得する方法
電気工事士の資格は、基本的に一種も二種も電気技術者試験センターが主催する試験に合格し、各都道府県知事に免許の交付を申請して初めて取得できます。
ただし、二種の場合は専門学校や大学・職業訓練校など経済産業省が認定した学校を所定の単位を取得して卒業しても取得できます。
また、一種は5年間(電気関係の大学や短大・専門学校を卒業した場合は3年間)の実務経験があって初めて、免許が交付されます。
ですから、全く無資格無経験の方が免許を取得したい場合は、最初に第二種を取得してから実務経験を積み、第一種を受験して取得しましょう。
なお、試験を受けて合格していれば、免許の申請はいつ行ってもかまいません。
そのため、試験に合格だけしておいて、実務経験を積んで技術的に大丈夫なことを見計らってから免許を申請する人もいます。
◇電気工事士の資試験
電気工事士の試験は、一種・二種ともに学科試験と技能試験があります。
なお、受験資格は定められていないので学歴に関係なく誰でも受験することができます。
電気主任技術者などの資格を取得していれば、学科試験が免除されるので電気技術者試験センターのホームページで試験の詳細を確認しましょう。
学科試験は択一式の問題が出題され、6割以上得点できれば合格となります。
最初に学科試験に合格してから技能試験を受験することになります。
技能試験は、実際に工具と与えられた材料を使って電気工作物を作り上げる試験です。
経験がない人には少々難しい試験のため、実は技能試験の合格率は一種よりも二種の方が低くなっています。
工具は自分で会場に持ちこむことになっています。
また、製図から始めなければ解けないので、設計の知識も必要です。
なお、技能試験に不合格だった場合は、1年間だけ限学科試験が免除されるので、翌年の技能試験には必ず合格できるようにがんばりましょう。
◇試験日程や申し込み方法
電気工事士は一種が年に1度、二種が年に2度試験が実施されますが、受験できるのはどちらの種も年に一回だけです。
二種ン試験が年に2回ありますが2回受験することはできませんので、注意しましょう。
試験は毎年6月と10月に学科試験が実施され、受験料は9,300円です。
受験の申し込みは、電気技術者試験センターから電子申請も行えるようになっています。
郵送で受験申し込みをしたい場合は、センターや各電力会社の支部などで願書を配布しています。
◇受験勉強のコツ
電気工事士の勉強方法には、独学・通信教材の利用・講習会の利用などがあります。
学科試験は独学でも受験合格できる知識を身につけることはできます。
ネットショップや書店で参考書とか過去問題集を購入し、勉強すれば十分に合格できます。
技能試験の方は、無経験では電気工作物を組み立てる際に必要な技術を身につけることが難しいでしょう。
テキストも出ていますが、写真や文章だけでは難しいです。
SATの教材は、技能試験までしっかりとサポートしています。
DVDに技能試験で必要な技術が映像で納められているので、何度も繰り返し見て真似することで経験を積み、技術を身につけられます。
もちろん、学科試験対策もテキストやDVDで行えます。
技能試験に確実に合格したい方や、独学に自信がない方も利用してみてください。
エアコン工事には資格が必要?自分ではできないの?まとめ
エアコン修理が必要な時に、持っていればできる資格について作業範囲や試験内容などを詳しく紹介してきました。
どうしても自分でエアコン修理や設置がしたいという人は資格取得にチャレンジしてみてはどうでしょうか。