普段、何気なくエアコンを使っている人は多いのではないでしょう。
そんなエアコンでもガス漏れなどが発生した場合、エアコン修理を業者へ依頼すべきかDIYするべきかを見てみましょう。
必ず、自分にあったガス漏れ修理方法は見つかるのではないでしょうか。
ほとんどの場合、ガス漏れ作業は業者へ依頼すべきかDIYするかはその時次第ではないでしょうか。
目次
エアコンのガス漏れ修理をDIYする
一般的に、家庭用エアコンの冷媒ガス漏れは微量なことが多く、耳でガス漏れの音や空気の噴出などを聞いたり、肌で感じたりして見つけ出すことは不可能に近いです。
では一体どうやって冷媒ガス漏れしている場所を特定するのかというと、ガス漏れ検知器という道具を使って冷媒漏れを探すのが一般的です。
◇機械式のガス漏れ検知器
機械式のガス漏れ検知器を使う場合、検知器の電源を入れ、検知器の先端をガス漏れしそうなところに当てるだけで、音とLEDの光でガス漏れを発見してくれます。
ガス漏れがない場合;ピッ・・・、ピッ・・・、ピッ・・・、ピッ・・・という音がして、ガス漏れがある場合;ピピピピピ・・・・という音がします。
このタイプの冷媒ガス漏れの検出感度は数g/年程度のものがほとんどで、家庭用のエアコンの冷媒充填量が1000g前後とういことを考えると、この検知器で見つけられないレベルの冷媒漏れであれば、10年以上経っても漏れ出す冷媒は100g以下なので、ほとんど気が付かなくても正常な範囲で動作し続けることができます。
逆に、冷房が冷えない、暖房が温まらないなどのエアコンの性能が落ちることが分かるレベルまで冷媒が抜けたということは、冷媒量の30%程度は冷媒が抜けてしまっているとうことになります。
例えば、取り付けから2年でこのような状態になると、年間のガス漏れ量は150g以上になるので、ガス漏れ検知器を使えば、簡単に冷媒漏れ箇所を特定できます。
最近では、Amazonや楽天などのネットショップで探せば、このようなタイプのガス漏れ検知器を2000円程度で購入できます。
◇スプレー式のガス漏れ検知材
ガス漏れを見つけ出す道具として、スプレー式のガス漏れ検知材もよく使われます。
使い方としては、ガス漏れが疑われる場所にスプレーします。
スプレーした箇所で泡がブクブクと出てくるかどうかで、ガス漏れの有無を確認します。
ただし、このようなスプレータイプのガス漏れ検知材は、極微量のガス漏れの場合に上記のような大きな泡ができないので、ガス漏れを見逃してしまう可能性があります。
これまで使ってきた経験から、先ほど紹介したような機械式ガス漏れ検知器の年間数gレベルの極微量なガス漏れを見つけ出すのは難しいでしょう。
ただし、年間100gとか、そういったエアコンの性能に影響が出るレベルのガス漏れであれば、見つけ出すのは簡単です。
ちなみに、わざわざこのような物を購入しなくても、中性洗剤を水で薄めたものなどで代用できるので、比較的お金をかけずにガス漏れを見つけ出す方法はあります。
ただし、上記の様なガス漏れ検知器(検知材)であれば、エアコン内に冷媒ガスが残っていて、いまもなお冷媒が漏れ続けているというような状態しか冷媒漏れを見つけ出すことができません。
完全に冷媒が抜けきってしまっているような場合は、上記のガス漏れ検知器を使ってもガス漏れは発見できないという事を知っておきましょう。
それでは、エアコン内に残っている冷媒量を推定する方法についてお話していきます。
エアコン内に残っている冷媒量を推定する方法
ガス漏れ検知器は、エアコン内にまだ冷媒ガスが残っている状態で活用するものです。
そのような機器を使う前に、エアコンの中に残っている冷媒量を推定して、エアコンの中にどれぐらいの冷媒が残っているのか、調べておきましょう。
まず、基礎知識として、R410a冷媒を使ったエアコン(規定冷媒量1000g)で、冷媒が抜けた状態で運転したエアコンの各部の温度や圧力は次のようになります。
◇R410a冷媒量別のエアコン運転状態
冷媒量[g]が250、低圧圧力[MPaG]が(25%)、吸込吹出0.10、温度差1.7、室外機戻り配管温度27度となります冷媒量[g]が500、低圧圧力[MPaG]が(50%)、吸込吹出0.62、温度差8.6、室外機戻り配管温度27度となります。
冷媒量[g]が750で、低圧圧力[MPaG]が(75%)、吸込吹出0.72、温度差12.8、室外機戻り配管温度13度となります。
着目してもらいたいのは、冷媒量が規定量近く(75~100%)の状態だと、室内機の吸込み温度と吹出し温度の差が十分に大きい(約10℃以上、室内機から冷たい風がでてくる)のに対し、冷媒量が25%ぐらいになっているとその差がほとんどなくなってきている(エアコンの室内機の風がぬるい)のがわかると思います。
また、室外機の戻り配管温度(太い方の配管)の温度も、しっかりと冷媒が充電されている場合は5℃前後になっているのに対し、冷媒が抜けていくに従って室温に近い温度になっていくことが分かります。
一度、温度計などを使って、冷媒漏れの疑いのあるエアコンで強冷房運転時(設定温度;最低、設定風量;最大、室温>>設定温度)の室内機の吸込み温度、吹出し温度、そして戻り配管の温度を測定し、そこからどれぐらいの冷媒がエアコン内に残っているか推定してみてください。
温度測定には、ホームセンターなどで売られているような非接触タイプのもの(約2000円)があると便利です。
例えば、これによってまだ冷媒が50%ぐらいはエアコン内に残っていそうな場合、ガス漏れ検知器などを使って、冷媒漏れの箇所を特定することができます。
逆に、冷媒が25%以下になってしまっているような場合は、もしかしたら先ほど紹介したようなガス漏れ検知器などではガス漏れ箇所を見つけ出すことができない可能性があります。
このような場合は、ガス漏れ箇所を見つけ出すのが難しくなり、例えば、冷媒漏れがありそうな接続箇所を全てやり直すとか、ガス漏れ検知器に反応するようなガスをエアコン内に充填した後にガス漏れ検知器でガス漏れ箇所を調べることになります。
なお、エアコンの冷媒ガス漏れは配管の繋ぎ目やキャップ部などから微量に漏れるケースがほとんどですが、稀に配管そのものが腐食したり、部品が破損したりして冷媒漏れを起こすこともあります。
冷媒漏れ修理としては比較的簡単な部類となるエアコン取り付けから数年が経過した後、少しずつエアコンの効きが悪くなってきたというような、配管の繋ぎ目などからの微量なガス漏れ修理をターゲットにしていきます。
◇冷媒ガスが漏れ出しやすい箇所
配管の繋ぎ目
家庭用のエアコンの配管は、このような感じでフレア加工された銅管をナットで締め込んでから接続されています。
この接続が失敗していると、次のような冷媒ガスが漏れ出してきてしまうことになります。
基本的に家庭用エアコンの場合の配管の接続箇所は、室外機側に2箇所と室内機側に2箇所の合計4箇所だけとなります。
室外機側・室内機側の配管接続箇所
室外機側に関しては、このような感じで接続箇所を冷媒ガス漏れ検知器を当てていけば、ガス漏れを見つけ出せます。室内機側は、配管そのものがカバーで隠れていることが多いため、室内機付近の配管カバーに切れ込みを入れ、そこにガス漏れ検知器を挿入するやり方でガス漏れの有無を確認することになります。
◇室外機のキャップカバー
配管の接続箇所以外にも、室外機に3箇所あるフレアーシールキャップからも冷媒が漏れ出している時があります。
というのも、上記のフレアーシールキャップを取り外して、その中にあるバルブのあたりを冷媒ガス漏れ検知器で探ると、ほんの微量ですが冷媒が漏れ出していることが確認できます。
この部分は、何らかの理由でフレアーシールキャップが緩んでいると、微量なガス漏れが発生するので、フレアーシールキャップが締まった状態で、ガス漏れが発生していないかを確認しておきましょう。
これらの室外機や室内機の配管接続部とフレアーシールキャップ部を確認すれば、冷媒漏れの場所が見つかります。
基本的には、冷媒漏れが発生する確率はかなり低いので、冷媒漏れを1箇所発見できれば、ほぼそれが冷媒漏れの原因だと2箇所同時に冷媒漏れしていることはないので断定してもいいでしょう。
ガス漏れ箇所が特定できなければ、冷媒漏れを修理することができないので、上記の場所を念入りにチェックしてみてください
冷媒ガス漏れをDIY:修理1
エアコンの冷媒ガス漏れ箇所が分かったら、次はその箇所を修理していきます。
具体的な冷媒ガス漏れ修理の方法は、次の通りです。
◇増し締め
エアコンの配管は、以下のような感じでフレア加工した配管をフレアナットで締め付けていって接続しています。
◇霊媒漏れをなくす
エアコンの取り付け業者は、トルクレンチという専用の工具を使って規定トルクでフレアナットを締め付けるという手順で、接続部から冷媒が漏れ出さないようにしています。
◇締付けトルクの既定値
2分(1/4インチ、細い方、17mm);16±2Nmとなり、3分(3/6インチ、太い方、22mm);38±4Nmとなります。
何らかの理由で配管を接続しているフレアナットの締め付けが緩んでしまった場合、そこから冷媒が漏れ出すことがあります。
このことが原因の場合、フレアナットを増し締めしてやることで冷媒漏れを修理することができます。
本来であればトルクレンチを使って規定トルクよりほんの少しだけ強いトルクで増し締めするのがいいのですが、素人の場合、1本5000円以上するトルクレンチを購入するのは大変です。
ただ、上記のようにモンキーレンチなどで増し締めした場合、締め付けすぎて配管のフレアを切ってしまうことがあります。
冷媒ガス漏れをDIY:修理2
増し締めでも継ぎ目からの冷媒漏れが直らない場合、フレア加工をやり直す必要があります。
この場合、配管カッターやフレアリングツール、真空引きポンプなど様々な道具が必要となるため素人では対応が難しく、ざっくりとした手順だけ紹介しておきます。
◇ポンプダウンを行う
エアコン配管内にある冷媒を室外機の中に回収するポンプダウンという作業を行います。
◇配管を取り外す
ポンプダウンを行なった後の配管の中に冷媒はもうほとんど残っていないので、スパナなどを使ってハカンを取り外します。
◇フレア部をカットする
配管カッターを使って、冷媒漏れを起こしてしまっていた配管のフレア部を切り落とします。
◇フレア加工を行う
その後、フレアリングツールを使い、カットした配管の先端に新しいフレア加工行います。
◇配管を接続する
トルクレンチなどを使って規定トルクでフレアナットを締め付け、エアコン配管を接続します。
◇真空引き
後は、真空ポンプを使って真空引きを行った後は、室外機の六角バルブを開いてポンプダウンで回収した冷媒を配管内に開放すれば、フレア再加工は完了となります。
エアコン修理はDIYできるの?そのやり方をプロが伝授!まとめ
エアコン修理についてDIYすべきか業者へ依頼してその場を凌ぐ必要があります。
できるだけ多くの業者と話して、最善策を得てみましょう。
サービス面で長けているのが大手業者であり、少ない収入で一生懸命働いています。