エアコンには室外機と室内機があります。
普段エアコンクリーニングが必要とされるのは、室内機になります。
室内機のエアコンクリーニングは素人がするには難易度が非常に高くなります。
そのため、ほとんどの人が業者に依頼してやってもらっているのではないでしょうか。
その場合、高額なクリーニング料金を支払わなければいけなくなります。
そこで一般的なエアコンであればDIYできるやり方を詳しく説明するので、自分でやってみてはどうでしょうか?

エアコンクリーニングDIYによる徹底洗浄

エアコンクリーニングDIYによる徹底洗浄

春から夏にかけて気になることといえば、エアコンの風が臭くなることだと思います。
その原因としては、エアコン内部に発生したカビ汚れがあります。
一般的なエアコンクリーニングではエアコンの本体カバーぐらいしか取り外さないので、その状態では洗浄する事ができないドレンパンや、細かな部品の裏側などに付いたカビ汚れまでは取り除くことができません。
カビ汚れを徹底的に取り除いて、エアコンを新品と同じレベルの状態にするには、エアコンの室内機を取り外してすべてを分解し、パーツ毎に洗浄していく必要があります。
この方法で洗浄クリーニングすれば、エアコンから吹き出される風の酷い匂いは全くなくなります。
そこで、自分でエアコンの室内機を完全に取り外して行うエアコンクリーニングの具体的なやり方について、写真付きで詳しくお話していきます。

DIYクリーニングで必要なもの

DIYクリーニングで必要なもの

DIYクリーニングをするときには、いろいろと道具をそろえる必要があります。
道具がなければなかなかうまくクリーニングすることはできません。
エアコンクリーニングのDIYをするときに必要な道具を紹介します。

◇脚立とシート

エアコンの室内機を取り外したりする時に脚立を使います。
比較的大きなサイズのものを用意しておくと作業が楽になります。
また、室内機を取り外す際に、室内機から汚れた水などが落ちることがあるので、床などに汚れが落ちないように養生用のビニールシートも準備しておいたほうがいいでしょう。

◇プラス・マイナスドライバー

プラスドライバーは、エアコンを分解する時に使います。
一般的なサイズのものがあれば十分なので、準備しておきましょう。
マイナスドライバーはエアコンの配線を取り外す際に必要です。
少し大きめのものを使ったほうが力を入れやすいのでよいでしょう。

◇モンキーレンチ

モンキーレンチは、エアコンのフレアナットやバルブキャップなどの取り付けや取り外しで使います。
大きめのものと中ぐらいのもの、複数サイズのものを準備しておきましょう。

◇六角・トルクレンチ

エアコンの配管の中にある冷媒ガスを室外機の中に封じ込めるためのポンプダウン運転を行う際に、4mmサイズの六角レンチを使います。
エアコン配管からの冷媒が漏れない湯にするためには、トルクレンチを使って適切な締め付けトルクでフレアナットを締め付けておく必要があります。
今回は、車のメンテナンスで使うトルクレンチとソケットセットを使いました。

◇真空ポンプ

エアコン洗浄後に冷媒配管を接続したら、配管内の空気を抜き取る真空引きという作業を行うために真空ポンプが必要となります。
真空ポンプを使って配管内を真空にすれば、水は真空状態だと蒸発する特性を生かして、配管内に入った水分を真状態にして蒸発させて、その大部分を配管外に排出することができます。
エアパージ方式(冷媒ガスで配管内の空気を押し出す方法)では、万が一洗浄工程で配管内に入ってしまった水分を配管外に排出することができないため、あまりおすすめできません。
真空ポンプは、最近ではネットショップなどで数千円で売られているので、そういったものを活用しましょう。

室内機をとりはずす

室内機をとりはずす

室外機のカバーはプラスのビスで止まっているので、プラスドライバーを使ってカバーを取り外します。
室外機のカバーを取り外すと、室外機と配管が接続されている部分が見えるようになってきます。
次に、室外機と配管が接続されている部分に付いている六角ナットの銅キャップを2つとも取り外します。
バルブキャップはモンキーレンチを使って簡単に取り外すことができます。
バルブキャップの中は、六角レンチを差し込めるような差込口があります。
この差込口に六角レンチを差し込んで操作して、冷媒を回収するポンプダウンという作業を行います。

ここからは、エアコンシステム内に充填されている冷媒を室外機の中に集めるポンプダウンという作業を行います。
冷媒配管を取り外すときに大量の冷媒とコンプレッサー油が一緒に吹き出してしまい、怪我の危険や環境汚染にもつながってしまうためにこの作業を行わないます。
エアコンの室内機を取り外す際は、必ずこれから説明するポンプダウンという作業を行いましょう。
なお、ここでは一般的なポンプダウン方法を記載していますので、ほとんどの場合この方法でポンプダウンできるはずですが、詳しくはエアコンに付属している工事説明書や据付説明書に記載されている方法を参照ください。
工事説明書または据付説明書がない場合は、各メーカーのサイトからダウンロード可能です。

◇エアコンを冷房で強制運転

エアコンの前面やパネル裏などにある応急運転ボタンを押し、強制冷房運転を10分ほど行います。
ポンプダウンは強制冷房運転でなくても、夏場の場合であれば冷房でも大丈夫です。
ただし、冬場の場合、室温が低すぎるために強制冷房運転を行わないと室外機が止まってしまい、ポンプダウンできなくなる場合があるので、応急運転スイッチで強制冷房運転させておいたほうが確実です。
なお、メーカーによって強制冷房運転の操作方法が異なる場合があるので、各メーカーのサイトで事前に確認しておくと確実です。

◇室外機の送り側バルブを閉じる

強制冷房運転を行い始めてから10分ほど経過したら、エアコンはONのまま室外機の送り側バルブに六角レンチを差し込み、時計回りでしっかりと締めて閉じていきます。
ここで理解しておきたいことは、送り側の細いパイプとは室外機から室内機に冷媒を送るためのパイプのことで、この送り側のバルブを六角レンチで締めれば、閉めた送り側のバルブ部で冷媒の流れがストップするため、これ以上冷媒は室内機側に送られなくなります。
送り側のバルブを閉じた状態で、下側に写っている太い方、室内機から室外機に冷媒が戻ってくる戻り側のバルブは開いたままにしておけば、室外機の送り側の配管から室内機、室内機の戻り配管までの冷媒が、室外機の中に吸い込まれ続け、最終的には全ての冷媒が室外機の中に集まります。
このような仕組みで冷媒を集める工程のことをポンプダウンと言います。
冷媒を室外機内部に集め終わるまでには約2~3分ほどかかりるので、キッチンタイマーなどを使ってしっかりと時間を図ると良いでしょう。

◇室外機の戻り側のふといバルブを閉じる

送り側の細いバルブを閉じてから2、3分が経過したら、戻り側の太いバルブも締め閉じていきます。
このようにして戻り側の太いバルブも閉じてしまえば、エアコン内部にあった冷媒は全て室外機の中に集まった事になり、この後は配管を取り外しても冷媒が外に大量に漏れしまうということはありません。
なお、戻り側のバルブを閉め終えたら、エアコンの運転を停止させてください。
これでエアコン内の冷媒を室外機に集めるポンプダウン作業は完了で、エアコンの銅配管内には冷媒ガスが溜まっていない状態になります。

◇エアコン室内機を取り外す

いよいよここからエアコンの室内機を取り外していきます。
まず、エアコンのコンセントを抜きましょう。
また、アース線が接続されている場合、事前にプラスドライバーを使ってアース線も取り外しておきます。
この段階でコンセントを抜いておかないと、この後の作業の安全性が損なわれるので、確実にコンセントを抜いておいてください。
次に、エアコンの前面パネルやフィルターなどを外していきます。
あと、ルーバー(エアコンの風を上下に調節する羽のようなもの)などもこの段階で取り外しておきましょう。

取り外し方としては、閉じているルーバーを手で開き、中央のはめ込んでいる部分を手で上手に外していき、その後ルーバー全体をしならせながら、左側を抜き取ります。
ルーバーのギア側については、ルーバーの抜き取れる角度が決まってるので注意が必要で、ルーバーを全開とか全閉とかにして、抜き取れる場所を探しながら取り外していきましょう。
このルーバーの場合は、全閉の状態で左側にスルッと抜き取ることが出来ます。
ルーバーをはめ込む穴はこんな感じで切り欠きがあり、そこにルーバー側の凸部が挿入するという仕組みになっていました。

もう一つのルーバーも同じ手順で抜き取っていきましょう。
ルーバーが外れたら、次はエアコンカバーの裏側に隠れていた電源配線カバーを開けます。
そして、配線を固定している小さなパーツを取り外します。
エアコンの配線で黒、白、赤の3つの配線を取り外すには、数字が書かれている上の白い部分をマイナスドライバーで強く押しながら配線を引き抜けばはずれます。
ここまで準備ができたら、エアコンの室内機の取り外しができます。
エアコンの室内機は単に裏側にある鉄板に引っ掛けてあるだけなので、エアコンの下を手で持ち上げると、こんな感じで簡単に室内機を取り外せます。
この状態でエアコンの裏側を覗いてみると、エアコンの配管が断熱材などで覆われていることがわかります。
この緑色のテープで巻かれている部分をカッターなどで開いていきましょう。

そうすると、エアコン配管の接続部が見えてきます。
この接続部にあるナットをモンキーレンチを使って緩めていくと、冷媒配管を取り外すことができます。
この時、すでにポンプダウン運転を行なっているため、冷媒配管を取り外してもガスが漏れ出す心配は全くありません。
ただ、最悪のケースも考えて、ナットを緩める際は少しずつガスが出ないかどうか確認しながら緩めていきましょう。
細い方の配管も同様に取り外していくと、冷媒配管を完全に室内機と切り離すことができます。
冷媒配管を取り外すことができたら、次はドレンホースを取り外していきましょう。

冷房や除湿の際に発生する水分を排出するためのドレンホースは室内機にネジで固定されているので、プラスドライバーでネジを外してドレンホースを引き抜けば外れます。
あとは、エアコンの配線を取り外していきます。
エアコンの写真右側の方から、灰色の平ぺったくて硬い配線をグイッと引っ張り出します。
これで、冷媒配管とドレンホース、配線が切り離されましたので、室内機は室外機と完全に分離したことになり、室内機を持ち上げて別の場所に移動しましょう。
慣れた人ならここまでの作業を30分ぐらいで終わると思いますが、初心者の場合は1時間ぐらいかかってしまうと思います。
この辺りでいやになって力尽きる人もいるかも知れませんが、ここからがエアコンの分解クリーニングの本番です。

エアコンの分解と洗浄

エアコンの分解と洗浄

エアコンの取り外しが終わったら、後は分解して洗浄をしていきます。
分解と洗浄を詳しく紹介します。

◇分解する

まず、本体カバーを取り外していきます。
本体カバーは上の方に爪があるので、カバーを上に持ち上げる感じでその爪を外してやると簡単に外せます。
これでエアコン本体の内部構造が見えるようになってくるはずです。
ここからは、右側にある電装部品を一つずつ取り外していきます。
まずは、右下の方にあるイオン発生ユニットをプラスドライバーで取り外しましょう。
エアコンの分解掃除でよくある話なのですが、取り外したビスなどを一つの箱に入れてしまうと組み立てるときにどのビスがどのパーツを止めていたものなのかわからなくなることがあります。
そのため、ビスを取り外したら養生テープなどでパーツに直接貼り付けておくと間違わずに済みます。

次は、運転ランプユニットを取り外していきます。
このパーツは爪で軽く止まっているだけなので、手で簡単に取り外せます。
運転ランプユニットを取り外したら、その下に隠れていたルーバーのギアユニットをプラスドライバーで取り外します。
このギアユニットはパーツがばらばらになってしまうタイプの場合は、袋に入れてパーツをなくさないようにしておきましょう。
次は、白色のエアコンの配線ダクトを取り外していきます。
エアコンを横から覗き込むと、配線ダクトが奥の方でビス止めされているので、それを外していきます。
次に、アルミ熱交換器に付いているアース線を取り外していきます。
熱交換器の近くの配管に付いている温度センサーも引き抜いて取り外していきます。
そして、アルミフィンのところに黒色の樹脂パーツと一緒についている温度センサーも、上に持ち上げて取り外しておきましょう。
ここで、黄色い線の電磁弁コイルが見えてくるので、それも手で引っ張って取り外しておきましょう。
これで熱交換器周りに付いていた配線やセンサー類は完全に取り外すことができたので、後は前面にあるビスを取り外すと、右側にある電源ユニットが一気に外れます。

次に、熱交換器とドレンパンを分離していきます。
白色の樹脂パーツを止めているビスと、そのパーツの横にあるビスを取り外します。
エアコンの反対側の方の2か所についているビスも同様に取り外しましょう。
これで熱交換器と蒸発皿周りが切り離されましたので、ドレンパンを下に引っ張って熱交換器と分離していきます。
熱交換器の方は、更に断熱材を取り外していきます。
エアコンの配管内を冷媒ガスと一緒に流れているコンプレサーオイルは水分を嫌うため、洗浄するときには水が配管内に入ってしまわないように袋などでしっかりとカバーしておいてください。

ここからは、更にドレンパンとファンの周りを分解していきます。
まず、送風ファンのモーターにマジックなどで“上“とかという印をつけ、後でどちら向きにモーターを取り付ければいいか分かるようにしておきましょう。
どうしてこのようなことをするのかというと、エアコンのファンは、固定された状態で上手くバランスが取れていて、組み立てた際に取り付け位置がズレたりしてそのバランスを崩してしまうと、エアコンからの振動や騒音が出てしまう場合があるからです。
続いてモーターを固定しているパーツと、モーターとファンを固定しているネジを取り外します。
これでようやくドレンパンとファンを分離させることが出来ました。
エアコンによっては、配線をうまく取り外すことができなかったりする場合は、ファンモーターや電装品にも水がかかってしまわないようビニール袋などを被せて洗浄してください。
これでようやくエアコンクリーニングの洗浄準備が整いいました。

◇パーツ毎に洗浄する

基本的にはスポンジと中性洗剤などを使ってパーツを手洗いしていきますが、短時間でさっと終わらせたいのであれば高圧洗浄機で洗浄すると効果的です。
一通り洗浄が終わったら、パーツを1~2時間ほど乾燥させます。

◇エアコンの組み立てと取り付け

あとは先程エアコンを分解したのと逆の手順でエアコンを組み立てていきましょう。
組み立てたエアコンは室内に運び込み、先ほど取り外したエアコン配管を接続していきます。
ここで注意点が一つあります。
エアコンの配管を締め付ける時は、トルクレンチという工具を使って適切な締め付けが必要になります。
このエアコンの場合は、細い方の配管が1/4インチなので17㎜のレンチを使って16N/mで、太い方の配管は3/8インチなので22㎜のレンチで38N/mで締め付けます。
配管の接続が終ったら断熱材やドレンホース、配線類を元通りに取り付けていきます。
この状態でエアコンを持ち上げ、壁のプレートに引っ掛けていきます。
この段階で、エアコンの電源配線をもとあった通りに接続していきます。
配線は手で差し込むのではなく、ラジオペンチ等を使って奥までしっかりと差し込んでいきましょう。
後は、配線固定パーツやカバーなどを取り付けていきます。

そして、エアコンのルーバーやフィルター、前面パネルなどを取り付けていきましょう。
ここまで準備ができたら部屋の外へ行き、真空ポンプを使った真空引きを行ないます。
真空引きは、室外機のサービスポートという部分にチャージホースを取り付け、もう片方は真空ポンプに接続します。

接続が完了したら真空ポンプの電源を入れて10分ほど真空引きを行いましょう。
真空引きが完了したら真空ポンプの電源を切り、チャージホースを取り外します。
その後、六角レンチを使って両方の配管のところに付いているバルブを両方とも、反時計回りに回して完全に開きましょう。
この時、室外機から配管内に勢いよくガスが流れていくのでブシューという音がしますが、それで大丈夫です。
それが終わったら、フレアナットや室外機カバーをもと通りに取り付けておきましょう。
これでエアコンの取り付けは完了です。
後はコンセントとアース線を取り付け、エアコンの電源を入れ、正常に動作すればエアコンクリーニングの完了です。

エアコンの室内機のクリーニングをDIY!プロが教えるやり方!まとめ

まとめ

エアコンの室内機のクリーニングをDIYする方法を一から詳しく説明してきました。
ここで紹介しているやり方を忠実に行えば、一般的なエアコンクリーニングであればできるようになっています。
ぜひ一度自分でやってみてください。

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